子供の斜視手術の内容や適応例・治療の流れ

子供の目のトラブルで斜視というものがあります。

斜視は、黒目が外側や内側を向いてしまっていて、焦点が正面ではなく、そのまま成長すると視力に影響がでる病気です。

斜視は見た目にも影響するため、症状が重ければ手術が適応となります。

子供に手術と聞くと、なかなか親としては躊躇してしまうこともあると思います。

そこで今回は、子供の斜視手術の内容や適応例、リスクなど手術に関する全容をお伝えしていきます。

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子供の斜視で手術が必要なケースと手術以外の治療が行われるケース

子供が斜視の場合には、手術以外の治療で治すか、手術で治すかの２パターンの治療法があります。まずは、手術以外の治療法をご説明します。

手術以外の治療法

手術以外の治療法は、次にあげるような方法がとられます。

• コンタクトレンズやメガネで矯正
• 眼帯やアイパッチなどの遮閉法
• プリズム眼鏡処方
• 両眼視機能訓練
• ボツリヌス注射療法

などの方法がとられます。

しかし、これらの方法は弱視の程度が軽度で、先ほどあげた治療法で効果が見込める場合に選択されます。

また、矯正されるにも時間がかかるので、長期的な治療となります。

手術が選択されるとき

斜視の程度によっては、上記であげた方法では改善が見込めない場合に手術が選択されます。

例えば、斜視の角度が思ったよりもひどかったり、斜視によって弱視となる、または視力に影響がすでに出ているなどの場合には、手術が適応となります。

また、手術ですが、子供は成長過程でもあるので、手術しても状態によっては数年後に再手術という可能性もあります。

子供が斜視で手術適応となった場合にうける手術の内容

大人の場合には、斜視手術は、局所麻酔で行い日帰りで終えることができますが、乳幼児や小学生などの子供では、入院が必要で、手術も全身麻酔下で行います。

中学生や高校生なども、日帰りで行うことは可能ですが、場合によっては、全身麻酔で行うときもあります。

斜視の手術は、種類にもよりますが、出来るだけ早い時期から受けることが望ましいとされています。

手術時間は、大体２０〜３０分ぐらいで終わります。斜視の手術は、黒目の位置を正面に戻すことが目的です。目の中の筋肉を切り、位置をずらします。

もう少し詳しく言うと、目が外側に向いている外斜視であれば、外直筋を後ろにずらすのですが、これは、筋肉を切り離して眼球の後ろの方に縫い付け正面にくるように調整します。

また、目が内側に向いている内斜視であれば内直筋を前にずらすために、前の方に筋肉を縫い付け直して、余分なところを切除する方法がとられます。

子供の斜視手術で必要な入院日数と手術にかかる費用

子供、特に小学生までの子供が斜視の手術を受ける場合には、全身麻酔が必要となるので、必ず事前に入院する必要があります。

病院によって、入院期間はやや異なりますが、平均すると２泊３日程度の入院となることが多いようです。

子供の場合には、親も付き添い入院としていることが多いので、事前に確認しておきましょう。

入院後、手術が行われるまでには、最終の術前検査をしたり、全身麻酔についての説明や同意書の記入などを行います。手術自体は、麻酔を含めても１時間以内で終了します。

術後は、複数回、医師による回診が行われ、患部の確認をしていきます。退院日にも、最後に医師より確認の診察が行われ、次回の予約や定期検診の説明があります。

入院から手術費までかかる費用ですが、斜視の状態や種類によってはやや異なります。

しかし、子供の手術の場合、医療福祉費支給制度（マル福）の適応があるため、自治体によっては、無料であったり、かかったとしても自己負担額は５万円以内に治まることがほとんどでしょう。

子供が斜視手術をうけるときに考えられるリスクや副作用

斜視の手術を受けても、子供の場合には、今後の成長過程によっては斜視が再発してしまうことが多くあります。成長過程の子供では、個人差があるので、今後、筋肉がどのように発達するか判断出来ません。

ですので、手術を選択するにあたって、医師からも、手術をしても斜視が完全に完治するとは断言されることはないでしょう。

斜視の手術をしてどこまでをゴールにするかという判断はとても難しいようで、医師によっても見解は様々です。軽い再発がみられたとしても、手術は子供の負担になるので再手術に踏み切らない医師もいます。

完全に治る子もなかにはいますが、斜視の手術でのリスクとして、再発もあり得るということは、念頭に置いておく必要があるでしょう。

また、再発以外に、目の充血が治まらなかったり、まぶたが腫れているのが引かなかったりと手術による副作用の症状がでることがあります。

手術を受けるか、悩んでいる場合には、しっかりと医師に相談や質問し、家族内でも話し合いをもつことが大切です。

子供が斜視手術をうけるときに医療従事者における大切なケア

大人でも手術となったら、恐怖心をもつと思いますが、子供にとっても手術というのは不安であり、恐怖であることには変わりません。

斜視の手術では、幅広い年齢の子供が対象となります。そのなかでも多いのは、小学校に入る前年齢、５〜６歳ころと言われています。

５〜６歳ころであれば、自己主張も出来ますし、手術に対する理解をすることも可能です。

子供が全身麻酔下で手術となれば、子供もその両親も不安に思うこともたくさんあります。その不安を医療従事者は取り除くようにケアしていく必要があります。

まずは、両親に対しての不安や疑問を取り除きましょう。大人が心配していることは、そのまま子供に伝わってしまうので、親の理解を得るようにしましょう。

その後、両親とともに、手術をうける子供の不安も取り除けるように支援していきます。バランス良くケアしていくことが大切です。

手術を受ける子の年齢にあった内容や方法で、しっかりと説明していくことが不安を取り除く大事な方法です。