インフルエンザとカロナール〜効かない原因と服用法
インフルエンザで受診すると、カロナールという薬を処方されることがあります。
しかし服用者の中には、あまり効かない…という意見も多く聞かれます。
インフルエンザに効かないと言われる原因は何なのか、詳しく調べてみました。
そこには服用された意図、また効果が期待できる症状、服用方法も関係しているようです。
つらいインフルエンザを早期完治させるためにも、ぜひ参考にして効果的な服用を心がけましょう!
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目次
インフルエンザに効果的?カロナールの服用について
カロナールはアセトアミノフェンを主成分としたお薬です。
アセトアミノフェンは、特許が切れているので後発性医薬品がたくさん出ています。
カロナールはあゆみ製薬という後発品を専門に作っている会社の製品です。
アセトアミノフェンは、熱を下げたり、痛みを止めたりする解熱鎮痛剤の一つです。
粉薬(細粒)、錠剤、シロップ、シロップ小児用など、患者さんに合わせていろいろな剤型があります。
アセトアミノフェンの効果は、アスピリンなどの非ステロイド系解熱鎮痛薬に比べて、効果は緩やかですが、長期に使用しても副作用は比較的少なく、長期間利用しても比較的安全です。
しかし、副作用がまったくないわけではありません。
腹痛や下痢を起こすことがありますので、空腹時に飲むことは避けましょう。
肝臓の機能が落ちる場合があります。
肝臓に関しては、血液検査の必要がありますので、たくさん飲んだ場合には血液検査を申し出てください。
また、肝臓に負担をかけるアルコールとの併用は避けた方がいいでしょう。
いわゆるかぜ薬と一緒に飲むと、かぜ薬にもアセトアミノフェンが含まれていることがあるので避けた方が無難です。
インフルエンザに対しては「カロナール」がよく用いられます。
これは、「タミフル」、「イナビル」、「リレンザ」などの抗インフルエンザ薬と併用しても大丈夫といわれているからです。
やっぱり効かない?インフルエンザでカロナールを飲むタイミング
「カロナール」は解熱鎮痛剤です。
鎮痛作用を目的として用いる時(神経痛や腰痛症、変形性関節症の関節痛など)に用いるときには、毎食後服用することを勧める医師もいます。
厚生労働省が承認している飲み方は頓服投与です。
頓服とは、痛みがひどい、熱が高いときだけに服用する方法のことです。
すぐに効き目が感じられないからといって、続けて飲むと副作用を起こしやすくなるので1回服用したら、次に服用するまでに4〜6時間の間隔をあける必要があります。
1日に服用してもよい量は、医師か薬剤師が説明してくれるので、その量を守りましょう。
インフルエンザの場合には、熱が出るのはインフルエンザウイルスを排除するために戦っている証拠です。(これを免疫による炎症作用とよびます)
しかし、発熱によりものが食べることができない、眠れないという状況が続くと、体力が低下し、インフルエンザウイルスと戦う力が弱まり、また熱によって体の他の部分が弱ってしまう場合が生じます。
そのため、「カロナール」によって一時的に熱を下げることが必要になります。
個人差がありますので、何度の熱が出たら服用するというよりも、発熱によりだるくて食事を摂る気にならない、痛みがあって眠れないなどのときに服用することをおすすめします。
インフルエンザのツライ頭痛…カロナールでは効かないことも!
インフルエンザの熱や痛みを取るために、医師からから「カロナール」を処方されているのに、熱が下がらない、痛みが軽減されない場合があります。
この場合に、薬局でアスピリンや非ステロイド系解熱鎮痛薬を買ってきて服用することはおすすめできません。
熱に対しては、額(ひたい)を冷やすことは一般的に行われていますが、腋窩(えきか:わきの下)や鼠径部(そけいぶ:太もものつけね部分)も冷やすことにより熱が下がることがあります。
これは腋窩や鼠径部には太い血管があるので、その部分を冷やすことによって、血液を冷やすことになり、カロナールの解熱作用と冷却作用の相乗効果(お互いの力が1+1=2以上の力となること)で熱が下がります。
頭痛に関しては、原因は体がインフルエンザウイルスに対して戦うときに分泌されるプロスタグランディンという物質が血管を広げるために起こっている可能性が高いので、頭や首の後ろを冷やして血管の広がりを抑えることで収まることがあります。
冷やしても解熱や鎮痛の効果が見られない場合には、インフルエンザウイルスによる髄膜炎や脳炎が起こっている場合もあるので、早めにお医者さんに行くことをおすすめします。
子供のインフルエンザにもカロナールは効かない?
子供がインフルエンザで熱が下がらない、関節の痛みなどで痛そうにしている場合には「カロナール」が効いていないのではないかと心配になるかもしれません。
服用しないでいると、実際にはもっと高熱になっているのに、熱を上げるのを防いでいる場合にそう見える場合があります。
お子さんの食欲が戻っていれば心配ありません。
インフルエンザに「カロナール」のような解熱鎮痛剤を使うのは、平熱に戻すためではなく、食欲や不快感をやわらげてあげるためです。
ですから、解熱鎮痛剤の効果は熱の高さを見るのではなく、子供の食欲や機嫌を見てあげてください。
またカロナールは体に入ってから血中で最大の濃度に達するまでには40分ぐらいかかります。
そのため、飲んですぐには効果が現れるわけではありません。
またこの時間には個人差があるのと、薬が最大の濃度になってから効果を実感するまでに時間がかかる場合がありますので、1〜2時間ぐらいは見守ってあげましょう。
薬の量が足りない可能性がありますが、インフルエンザによって体が弱っているときに、通常でも最大量が決まっている薬を追加で飲ませることは慎んでください。
カロナール以外にも…インフルエンザに効かない注意が必要な薬
こどものインフルエンザの熱を下げるために使ってはいけない薬があります。
これを禁忌薬と呼びます。
痛み止めによく使われるサリチル酸系の医薬品であるアスピリンは15歳未満のインフルエンザには禁忌となっています。
そのため、お医者さんから処方されることはまずないとおもいますが、市販薬にはサリチル酸系の医薬品が含まれていることがありますので、注意が必要です。
サリチル酸系の成分としてはアリルイソプロピルアセチル尿素やアセチルサリチル酸があります。
非ステロイド系解熱鎮痛薬、特にジクロフェナクナトリウムはインフルエンザ脳症が発症する可能性を高めたり、悪化させたりすることが分かっているので15歳未満では禁忌となっています。
メフェナム酸は厚生労働省の添付文書では禁忌とはなっていませんが、日本小児科学会の意見が提出されていることから事、食品衛生審議会医薬品等安金対策部会小児のインフルエンザによる発熱には投与をしないことを周知しています。