ステロイド軟膏の副作用で皮膚がむける原因と対処法
ステロイド(副腎皮質ホルモン)には飲み薬や軟膏がありますが、それぞれ強い作用がありますので、副作用には注意が必要です。
しかし、ステロイド軟膏の作用や正しい使い方を理解することにより、よりよい効果を得ることができ、また副作用も少なくすることが可能です。
今回は、ステロイドが皮膚にどのように作用するのか、どのような場合に副作用が起こるのかなどについてご紹介します。
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目次
ステロイド軟膏で皮膚がむける理由
皮膚の新陳代謝は部位とか年齢によって異なっていますが、約1ヶ月程度といわれています。
また、皮膚は表皮と真皮の2層構造で、表皮は4つの層からなっています。
一番外側が角質層といわれており、古くなった角質層は垢と呼ばれ、皮膚表面から剝がれます。
この時、角質層の下には正常な表皮ができています。
これとは別に皮膚が炎症を起こしている部分というのは、炎症によって皮膚がダメージを受けているので、どんどん新しい皮膚を作って対抗しようとする働きが起こっています。
その部分にステロイド外用薬を塗ると皮膚の炎症やかゆみを抑えます。
そして、炎症が治まって皮膚の代謝が正常に戻ってくると、表皮の基になる部分が正常に作られ、それが新陳代謝により皮膚の表面に移動していきます。
それにより、代謝異常の部分が表面に移動し、表皮がボロボロと剥けるという現象が起こります。
この場合は、角質層の下にはまだ正常な表皮はできていません。このようにして表皮が剝がれるのを落屑(らくせつ)といいます。
このように、ステロイド軟膏により炎症が治まれば徐々に正常な表皮が作られていきますので、落屑によるボロボロと落ちる皮膚が徐々に正常になっていきます。
これが皮膚がボロボロと剥け始めれば、皮膚の代謝が正常に戻る兆しとして考えられる理由です。
ステロイド外用薬を塗ったら皮膚がボロボロむけるのは
質問)
皮膚のトラブルで以前のアレルギー専門の病院ではステロイド外用薬を塗っていましたが、なかなか治りませんでした。
今度の病院では、飲み薬と軟膏を処方されましたが、しばらくすると皮膚がボロボロとむけてきました。
医師によると前の角質層が剝がれてきているので、気にしなくてよいとのことでした。皮膚の治り方や軟膏の正しい塗り方なども教えてください。
お答え)
皮膚というのは一般的に約1ヶ月で新しくなるといわれています(部位とか年齢にもよりますが)。
ですので、ダメージを受けていた皮膚がステロイド外用薬の作用で正常に戻り、その際表皮がボロボロむけるのは下から正常な皮膚が作られてきているためだと考えることができます。
ステロイド外用薬には5種類の強さのものがあり、また皮膚の部位により薬剤の吸収率が異なっていますので、医師の処方した薬剤を処方された使い方で塗るようにしてください。
ステロイド外用薬は強い作用がありますので、自分の判断で使用を中止したり、長期間塗り続けるなどしないようにしてください。
質問:脱ステロイド治療中に皮膚がむけるのは
娘はアトピー性皮膚炎で現在、脱ステロイドの治療中なのですが、毎日すごい量の皮がむけるのです。
特に、夜中にかきむしるので、朝起きると大量の皮が落ちています。
このような状態で大丈夫なのか不安ですし、少し暑くなってくるとかゆみが増し、無意識のうちにかきむしってしまい、皮膚に傷ができてしまいます。
その傷がかさぶたになるのですが、それがまた掻いた時に取れてしまうので、さらに傷が大きくなってしまいます。
皮膚の代謝は約1ヶ月と聞いていますが、娘の皮膚の代謝は正常に行なわれているのでしょうか。
娘がアトピー性皮膚炎になってから、私なりにいろいろ調べてみましたが、なかなか良い医師にも出会えていません。
娘の将来を考えると何とか速く直してあげたいと思っているのですが、これからどうしたらよいのでしょうか。
ステロイドは怖い薬だと何人もの知り合いから聞いていますので、ステロイドはあまり使いたくありません。
お答え;ステロイドと皮膚がむけるのは直接の関係はありません
アトピー性皮膚炎で困っておられる方は最近とても多くなってきています。大人の方にも増えてきています。
一般論としてお答えさせていただきたいと思います。
といいますのは、アトピー性皮膚炎の方はなかなか簡単には治らない病気だということと、ステロイドは危険な薬だという認識がとても根強いからです。
そのために、病院を転々と替える患者さんがたくさんおられます。
そして人づてに聞いた「アトピーにはこの治療が一番」というのを受けておられる方もいるようです。
しかし、皮膚科の専門医(特にアトピー性皮膚炎)として言わせていただくと「ステロイドというのは世界的にアトピー性皮膚炎の治療にはなくてはならない薬なのです」。
正しく使うと外用薬に関しては副作用というのはほとんど心配しなくてよいものなのです。
ステロイド外用薬には5種類の強さのものがあります。また皮膚の部位によって薬の吸収率が大きく異なりますので専門医はそれらの薬を部位別・症状に応じて使い分けているのです。
それとアトピー性皮膚炎というのは治るまでにある程度の期間が必要ですので、アトピー性皮膚炎を専門にしている皮膚医院で医師を信頼して、我慢強く治療を受けることが重要です。
皮膚のトラブルに良く効くステロイドのメリット・デメリットは
最近のインターネットなどによる情報というのはメリット・デメリットが相反していると思います。例えばアトピーに対するステロイドについてもたくさんの情報(正しい情報も、いい加減な情報も、金儲けのための情報操作も・・・。)が溢れています。
もし、あなたのお子さんがアトピー性皮膚炎になった場合、ネットからのいい加減な情報だけでなく、徹底的にあなたが集められるだけの情報を集めてみてください。
その上で、どのように対処するのか選択してみてください。
アトピー性皮膚炎を専門にしている皮膚科の医師を受診し、医師からの説明が納得できる場合には、信頼して継続的に治療を受けてみるのもよいでしょう。
ですが、どんなに専門医とされる医師であっても、説明に納得できない場合には、違い医療機関を受診する方法もあります。
アトピー性皮膚炎は、世界的にもステロイドを使うというのは常識になっています。
また、ステロイドというと副作用というのが反射的に思い浮かびますが、ステロイドの外用薬での副作用というのはほどんど心配しなくてよいレベルです。
ステロイドの副作用を心配してステロイドの使用を躊躇するより、アトピー性皮膚炎によるかゆみや睡眠不足によるストレスの方を優先するほうがよいでしょう。
健康に与える影響は副作用より遥かに大きなものだと思います。
ステロイドというのは副作用という言葉がセットになっているくらい、強い効き目がありますので、素人判断による安易な使用や中止は止めてください。
皮膚のトラブルに効果のあるステロイドは危険な薬なのか
皮膚科の医師の立場から言わせていただきますと、最近アトピー性皮膚炎の患者さんで「ステロイドは怖い薬なので使わないでほしい」という方が増えてきています。
しかし、世界的にみてもアトピー性皮膚炎にはステロイドというのは医学の常識なのです。
ステロイドというのはアトピー性皮膚炎にはとてもよく効くのです。しかしこれはかゆみなどの対症療法の薬としてです。
なぜステロイドを使いたくないのかお尋ねしたところ、
- 知り合いやネットで調べてみると多くの方が怖い薬だといっている
- 長く使っていると肌がだめになるとのうわさ
- 顔が丸くなったり、骨が脆くなったりするという副作用があると聞いている
- 一度使い出すと止められないそうだ
- 自然の治癒力を阻害する
- 効き目がすごいので怖い
などです。
これらの話の中には、飲み薬のステロイドの副作用のものがたくさん入っているようです。
皮膚科で用いるステロイド外用薬は、医師が適切に使用するとほとんど副作用というものはありません。
アトピー性皮膚炎というのは、治るまでに長い期間が必要なのもです。
また、同じ皮膚科の医師のなかでもアトピー性皮膚炎について専門的な知識が必要になってきます。
ですので、アトピー性皮膚炎を治療したいとお考えなのなら、まず実績のあるアトピー性皮膚炎の専門医を探してください。
そして根気よく医師の治療方針に従って治療を続けてください。