病院を転院する際には紹介状をスムーズにもらえるコツ
病院を転院する際に、紹介状があるのとないのとでは大違いです。
どのように違うのでしょうか。
基本的には、何か身体に不調が出た場合、まずかかりつけ医(近所のクリニックなど)で診察を受けます。
次に、診察した医師が大きな病院や他科での検査や治療が必要と判断した場合、紹介状を持って受診します。
紹介状を持参しなかった場合にはどんなデメリットがあるのでしょうか。
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目次
かかりつけの病院からの転院には紹介状を持って!
以前のように、何か身体に不調が起こった際、総合病院や大学病院にいきなり行くのは、いろいろな問題があります。
まず費用の面ですが、平成28年4月から、初診に係わる費用が医療施設の規模などにより2種類に分けられました。
一つは、一般病床200床以上500床未満の病院について、紹介状なしで受診すると各病院の判断により、特定療養費を請求するかどうかや、その金額を決めることができます。
もう一つは、一般病床500床以上の地域診療支援病院および特定機能病院を紹介状なしで受診すると、「特定療養費」でも5,000円以上の費用を必ず支払わなくてはなりません。(救急車などで搬送された場合はどは不要です。)
なお、救急車で搬送された場合や、一般病床200床未満の病院や診療所、クリニックについては、このような特別な費用というのは掛かりません。
これは、病床数の多い大きな病院や総合病院に患者が集中し、本当に高度の医療を必要としている人に、なかなか質の高い医療を提供できないことが関係しています。
病院などが質の高い医療を提供するので料金も高くとるという意味合いではありません。
病院を転院する際の紹介状とは?
紹介状の正式名称は、診療情報提供書といいます。
これは医師が患者を他の病院の医師に紹介する時に作成します。
なお、紹介状は保険診療の対象ですので、3割負担の方でしたら750円になります(保険を適用しなければ2,500円)。
さて、紹介状の内容ですが、一般的には次のような事が記載されています。
- 患者の基本的情報:氏名、性別、生年月日、住所など
- 紹介の目的:精密検査が必要、入院・手術が必要など
- 病名、症状など:患者が治療中の病名、既往症など
- 現在の病状:現在の病状
- 治療経過:これまで行なった治療
- 薬剤情報:これまで処方した薬剤名、そのた服用している薬剤名
- その他:アレルギーや治療上に留意すべき点など
また、必要に応じて検査データ、画像データを添付することもあります。
紹介状は基本的には、診察した医師が必要と判断した際に作成しますが、患者の側から依頼しても問題ではありません。
しかし、医師にもいろいろな方が居られるので、医師の義務だろうというような態度で「紹介状」と言っても、今は忙しいと断られる可能性もあります。
医師も人間ですので、丁寧に「お手数ですが紹介状を書いていただけないでしょうか?」と頼んでみましょう。予想より簡単に書いてくれる場合が多いようです。
病院を転院する際、紹介状があると大違い!
病院を転院する際には、できるだけ紹介状を書いてもらいましょう。
これまでの検査結果や診断名、治療経過などの医療情報が含まれていますので、同じような検査をしなくて済みますし、転院先の医療期間医師も、これからどのような治療を行なえば良いのかを効率よく判断することができます。
これらは経済的にも体力的にも時間的にも大きなメリットです。
同時に病院側にとってもメリットがあります。
紹介状を持って受診される方というのは、まず地域のクリニックなどで、総合病院や大学病院などでの診察や治療が必要と判断された方ですので、大病院の設備やスタッフに適応した患者だと言えることです。
総合病院や大学病院というのは、高度な治療を必要としている方を治療する医療施設ですので、できるだけ病院の医療施設のレベルに合うような患者を治療するのが合理的です。
このような医療システムの運営には「紹介状」というものが重要な役割を果たすのです。
病院を転院する際の紹介状の費用は?初診の費用は?
医師に紹介状を作成してもらうのに必用な費用は、健康保険が適用されますので3割負担の方で750円です(保険が適用されなければ2,500円です)。紹介状を持って行っても初診料はかかります。
それと、転院先の病院の規模によっては、紹介状がないと「特定療養費」として特別の料金が請求されます。
具体的には、一般病床200床以上500床未満の病院では、特定療養費を取るかどうかおよび金額は病院の判断に任されています。
病院によって異なりますが、2,000円〜3,000円前後のところが多いようです。
しかし、一般病床が500床以上の地域診療支援病院および特定機能病院を受診すると、法律で5,000円以上を請求するように定められています(平成28年4月から)。
もし紹介状と特定療養費の差があまりないような病院に転院する場合でも、紹介状はできるだけ書いてもらうようにしましょう。
紹介状にはこれまでの検査結果や治療方針など、今後の治療に必要な情報が入っていますので、時間と費用の節約になりますし、再検査による患者本人の負担もなくすことができます。
大病院に転院する際には、紹介状は必須!
病院を転院をする際には、紹介状があった方が良いというのはよく言われていますが、特に総合病院や大学病院等に転院する際には必須です。
その理由、紹介状の無い患者が一般病床200床以上500床未満の病院を受診した場合、初診料とは別に特定療養費というものが必要になるのですが、特定療養費を取るかどうかおよび金額は病院の判断に任されています。
しかし一般病床が500床以上の地域診療支援病院および特定機能病院を紹介状無しで受診すると、法律で5,000円以上を請求するように定められています(平成28年4月から)。(大学病院の中には10,800円というところもあるようです)
なぜ、この特定療養費というものを請求するように変わったのでしょうか。
大学病院や病床数の多い総合病院、高度医療を専門としている医療機関には、検査の機械などの設備が整っていたり、難病等の疾病を専門としている医師もいます。
風邪などの軽い症状やなどでも、設備が整っている医療機関へ受診する患者さんが増えてきたことから、本当に高度・専門的な治療を必要としている患者さんまで手が回らなくなってしまう実態が起きてきたからです。
このため、国はかかりつけ医という制度を普及させ、風邪などの軽い症状やあまり重篤でない疾患の患者さんには、地域の診療所やクリニックを受診し、より高度な検査や治療が必要な場合に、総合病院や大学病院に紹介しするようにしていく制度となっています。
ただ、地域の医療機関を受診しても、なかなか納得いく説明がもらえない、症状が改善しない、主治医が紹介状を書いてくれないといった場合には、紹介状がなくても転院することも必要だと思います。
その場合には、現在服薬している薬や診断名、これまでの経過等をご自身で紙にまとめていくとよいでしょう。