肩を骨折した時の全治に必要な治療とリハビリのポイント
骨折すると、生活の様々な場面で支障をきたしてしまいます。
なるべく早く完治するために、どのような治療が必要になるのか、また普通に日常生活を送るために重要なリハビリについて詳しく調べてみました。
もしもの時は、ぜひ参考にして効果のある治療とリハビリに取り組みましょう!
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目次
肩を骨折…全治と完治って違うの?
よくケガなどをすると「全治」や「完治」と言った言葉を耳にするようになります。
みなさんはこの2つの言葉の違いを理解していますか?
実はかなり間違った解釈をしている方が多いようですが、似ているようで大きな違いのある言葉なのです。
まず「全治」は、よく「全治○○日」「全治○○ヶ月」といった風に言われることが多いですが、これはそのケガに対して、病院へ通院し必要な治療に有する期間のことを意味しています。
医師から「全治3週間です。」と言われた場合には、そのケガの治療には3週間必要になるので、その間通院してください、と言った意味合いがあるのです。
そして「完治」は、そのケガの治療が完了し、生活または仕事などに支障がなくなったことを意味しています。
上記のことから、全治=完治ではないため、医師から伝えられた日数で全快するわけではないことを覚えておきましょう。
私たちがケガなどの治療でイメージするのは全治よりも完治でしょう。
しかし、ケガの状態や部位によっても完治までの期間は定まっておらず、病院治療が終わっても完治までにかなりの期間を有することは少なくないのです。
肩の骨折…全治まではどのくらい?
では、肩の骨折は「全治」どのくらいなのでしょうか?
肩に限らず、全治までをはかるには、骨折の状態によっても違います。
まず、疲労骨折のようなやや軽度なヒビに近い骨折の場合には、6週間〜7週間くらいと意外と早く治療が終了するようです。
次に完璧に骨折してしまっている場合は、6週間〜12週間程度と言われています。
もちろん骨折の状況によっては更に治療を有する期間が長くなることはよくあるので、あくまで目安としてイメージしておきましょう。
また全治までは意外と短く感じる期間ですが、これからリハビリやトレーニングを取り入れて元の状態へと戻していくため、完治までにはまだまだかかります。
特に軽度の骨折は全治の期間は短いですが、基本的な治療は患部を固定する保存療法の場合が多いため、リハビリを開始する時期が遅れてしまうことがあります。
全治・完治の見極めは治療法や状況、そしてリハビリの進度などを総合して、考慮する必要があります。
肩の骨折〜上腕骨筋位端骨折について
上腕骨近位端骨折とは、肩をぶつけた時や手をついて転んだ時などに生じることが多い骨折です。
骨がもろくなりがちな高齢者の骨折が多く見られ、生活の何気ない一瞬で骨折してしまうこともあります。
骨折自体には気付かない場合も多々ある上腕骨近位端骨折ですが、実際に肩に痛みが生じやすく、腕を上げることができなくなってしまう場合もあり、痛みによる受診で骨折が発覚することも少なくありません。
上腕骨近位端骨折の治療法は、三角巾やバストバンドで固定する保存療法を摂ることが多いようです。
しかし、骨にずれが生じていた場合には手術が必要になることもあります。
上腕骨近位端骨折は生活に支障をきたしてしまうことが多く、リハビリでの早期完治が重要になります。
効果的にリハビリを行うことで、元の状態へ回復が期待できるでしょう。
保存療法の場合は、固定し骨の状態を安定させることが重要な治療になります。
元の状態へ戻すためにリハビリを急ぎ過ぎると症状が悪化してしまうこともあります。
固定したままできるリハビリもあるので、焦ることなく医師の指示に従って効果的な治療を行いましょう。
肩の骨折で全治を左右する要因
肩の骨折の全治は6週間〜12週間程度かかるとお伝えしましたが、これには骨折患部の骨の癒合が重要になります。
肩は日常的にもよく使う部位でもあるため、ふとしたきっかけで患部の状態が悪化してしまうこともあります。
また、高齢になると骨粗しょう症により骨の強度がもろくなっているため、骨折しやすく全治までにもかなりの期間を有してしまいます。
その他にも骨の癒合に必要なカルシウムやタンパク質、ビタミン系の栄養素が不足していることでも、治療に時間がかかる原因になっています。
肩を骨折した場合には食生活にも注意し、必要な栄養素を意識して摂取することで、完治が早まる傾向にあります。
年齢・生活習慣など、肩の骨折の全治・完治には様々な要因によって変化してしまいます。
加齢の問題はどうすることもできないので、生活習慣や食事を充実させることが重要になってくるでしょう。
肩の骨折…完治はリハビリがポイントに!
軽度な肩骨折の場合、骨を癒合するために三角巾やバストバンドなどを使って固定させる保存治療を行うことが一般的です。
しかし長期間固定し動作を制限することで、患部周辺の筋肉の衰えや関節部分の硬直により、可動域が狭くなってしまうのです。
つまり、肩骨折の完治には骨の癒合だけではなく、リハビリでこの狭くなった肩の可動域をもとの状態に戻すことが重要になります。
このことからも、骨折のリハビリは骨の強化ではなく、患部周辺の筋肉強化を目的に行うようになります。
骨が癒合し状態が安定した後、リハビリにより筋肉が元の状態に戻り、支障なく生活を送れるようになった時に完治と言えるでしょう。
固定期間が長くなれば、それだけ筋肉の衰えも進行してしまいます。
しかし、リハビリを急ぎ過ぎるとせっかく癒合した骨がまた離れてしまう可能性もあるので、状態を見ながら順当にリハビリを行っていくことが大切です。
全治に向けて!肩骨折のリハビリは?
肩骨折から日常に支障のない状態へと戻すためには、リハビリが重要になりますが、焦り過ぎて患部に負荷を与えすぎると回復を妨げてしまうことがあります。
症状や状況に合わせながら、段階を踏んだリハビリを行うことが大切です。
まず、骨折して初期の段階から、負荷を抑えたリハビリを行います。
初期のリハビリは、肩関節自動運動と言われる、机を布巾で拭くような動作を繰り返し行っていきます。
これにより徐々に可動域を拡大していくことができます。
そして、ゴム製のチューブの弾性を利用した回旋筋腱板の筋力強化を目的としたリハビリや、振り子のように腕を揺らしながら肩回りの萎縮した筋肉をほぐしていくコッドマン体操などを追加しながら、負荷をかけていきます。
骨の状態に応じて、ストレッチや筋トレなども併用して行っていきます。
医師の指示のもと、適切なリハビリを継続して行うように、早期完治を目指しましょう!