精神科の通院を自己判断でやめる時に考えたい危険性と注意点
精神疾患で精神科を通院する人は年々増加傾向にあります。
そしてそれと同時に、病気の完治を待たずに自己判断で通院をやめる患者の数も増えています。
しかし、精神科において医師の判断を聞かずに、自己判断で通院をやめてしまうのにはかなり危険なことのようです。
精神疾患というなかなか終わりの見えない治療や通院について、しっかり理解し自分にとって一番いい方法を医師と一緒に考えることをおすすめします。
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目次
精神科の通院はやめることができるのか
うつ病など精神疾患がメジャーになってきた現代、精神科は以前よりも通院しやすい環境にあり、現在精神疾患で通院中の方は、平成20年度に323万人を超えています。
精神疾患には様々な病名がありますが、もっとも有名なのは、うつ病でしょう。
うつ病は心の風邪と言われており、適切な治療を受ければ、回復・改善がみられる病気です。
そうなれば、当然精神科への通院も、やめることができます。
ですが、精神疾患は、他の病気と比べてはっきりと「治った」ということが分かりにくい病気です。
病気がよくなった場合、よく「治癒」と「寛解(かんかい)」という言葉が使われます。
治癒とは、病気が完全に治ること、「寛解」とは、症状が一時的に消えたり軽くなったりした状況で、このまま治る可能性のある状態を指します。
精神科では、残念ながら、この「治癒」という言葉を使うことは、殆どありません。
例えば切り傷や骨折、風邪などは、症状が消え、問題なく日常生活が送れるようになれば、治癒したと表現することが可能です。
もし、再び何かの拍子に別の症状の風邪を引いたり、他の部位を骨折することがあったとしても、それはあくまで別の疾患として考えられます。
ですが、例えば慢性的な疾患の場合は、100%治って、再発の可能性が全くないと断言することは極めて難しく、症状がほぼなくなった場合も、常に再発のリスクを伴うので、症状が改善されたということを意味する「寛解」という表現が使用されるのです。
例えば、癌や白血病、膠原病のような病気を慢性疾患と呼びますが、うつ病等の精神疾患もこの慢性的な疾患に当たります。
ですから、精神疾患の場合、患者と医師が、「治りましたね。これでもう治療の必要はなくなりましたよ」と円満に治療を終了することは、極めて難しいのです。
精神疾患は、症状が良くなったとしても、その後どのくらいの確率で再発するかは、個人個人で全く異なるため、予防的な治療を長く続けていく必要があるのです。
精神科の通院を自己判断でやめる危険性
ここまで、精神疾患の完治の難しさについて話してきましたが、例えば、軽い心の不調程度、例を挙げるなら、不眠症だったけれど著しく改善して、毎晩問題なく眠れているような状態や、軽いうつ病と診断されたけれど、趣味にも仕事にも意欲がわいて、日常生活を生き生きと送れる状態まで回復しているなら、通院自体をやめることはあまり問題にならないと、私個人は考えます。
けれど、症状の重いうつ病等の精神疾患にかかっていて、まだ症状が安定していない段階で、「薬をやめれば、きっと怠さも改善されて気力が戻るに違いない」とか、「病気が治らないのは気合が足りないせいなのだ」と考えて、自己判断で勝手に治療をやめてしまうことは、たとえ一時的に症状が改善していたとしても、その後さらに症状が悪化し、病気が長引く危険性が高まってしまうのです。
私の知人に、うつ病での通院を、良くなったからと自己判断でやめた方がいますが、半年後、今度はもっと長く精神科に通院することになってしまいました。
通院をやめようと考えた時には、本当に精神疾患の症状が安定していて、問題なく日常生活を送れているのかどうか、よく考えてみてください。
幸運にも自然と症状が良くなった場合でも、仕事や人間関係のストレス、環境の変化で、精神疾患が再発しやすいことは、頭に入れておく必要があるでしょう。
また、双極性障害(躁うつ病)や、統合失調症などの精神疾患にかかっている場合、激しい症状が何度も再発してしまうと、却って症状がますます悪化し、症状が強くなったり、症状が出る回数が増え、症状が出ていない時も、能力を発揮できない悪循環に陥ることがあるので、注意が必要です。
もちろん全ての人が悪化したり、自然治癒しないというわけではないのですが、大きな病気であればあるほど、民間療法や気合いで治そうとしても、うまくいかないものなのです。
治療が長引き辛いと感じたら、何が嫌なのか、何が苦しいのか、どんなことで困っているのかを、お医者さんに率直に話してみてください。
きっと、真剣に聞いてもらえるはずですし、きちんと話し合うことで、回復の糸口がつかめることもあるのです。
精神科の通院を勝手にやめるのは先の見えない治療が原因に!
精神疾患はとても診断の難しい病気です。
明確な病名が付く単純な一つの病気ではなく、偶然同じ症状が出ているけれど、実は色々な原因や病気が複合的に混在した、いわゆる「症候群」とよばれる病態であることも少なくないのです。
ですから、ある特定の症状が現れたとしても、簡単に病名を確定することができません。
更に精神疾患は、検査によって明らかになる病気が少なく、例えば精神科で行う血液検査などは、投薬による他の臓器等への影響を見るために実施されることも多くあります。
つまり、精神疾患は、治療・治癒の過程が極めて不透明なのです。
精神科医は、患者さんの言動や表情、説明などから、症状を聞き出し、その診立てをもとに、治療を始めることがほとんどですが、他の病気と異なり、検査結果などはあくまで補足的な情報でしかありません。
例えば患者さんや付添人がうまく病状を説明できない場合や、伝えられていない重大な問題がある場合などは、なかなか正確に病名を診断できないのです。
場合によっては、治療後何年も経過していても、症状から分かる大体の「状態像」しか診断できておらず、その治療しか行えていない場合もあります。
精神科の通院をやめる時は医師の判断が重要!
精神科も治療の場合、高確率で抗不安剤や抗うつ剤のようなお薬を処方されると思います。
例えば抗うつ剤や抗不安剤のようなお薬の場合、治ったと思い込んで自己判断で勝手に服用を中止してしまうと、「離脱症状」が出てしまう場合があります。
デパスのような向精神薬は、依存性も強いので、自己判断で服用をやめると、一時手時に症状がかなり悪化して、不安で不眠になったり、体が怠くて日常生活を送ることが困難になることもあります。
精神疾患が治っていると感じていらっしゃる方で、現在もお薬を服用中の方は、もしかするとそのお薬が効いているおかげで、症状が改善している状態が維持できているだけなのかもしれません。
精神疾患の再発のリスクについては、先にお話しした通りですが、治ったつもりでも、根本的な原因が改善されていない場合、例えば家庭環境がストレスになっていたり、学校生活や仕事がストレスになっていて、発症前と何ら環境に変化がない場合は、表面的に治っているように見えても、通院をやめた途端に、あるいは服薬をやめた途端に、症状が再発することがあります。
それでも、通院や服薬を自己判断で中止して、安心して社会生活が送れるでしょうか?
どうしても通院をやめたいと考えるのであれば、一度医師に相談してみてください。
あなたの病状を鑑みて、薬の事、再発の可能性を考慮したうえで、しっかり判断してくれると思います。
完治したうえで通院をやめることができるのが一番の理想なのですから、お医者様も分かってくると思いますよ。
場合によっては、少しずつ減薬を始めることもできるかもしれません。
症状が回復傾向にあれば、最後にお薬を処方してもらい、徐々に減らしていくことで通院をやめたり、半年に一度程度、経過観察のために通院するだけでよくなる場合もあります。
自己判断で勝手に通院をやめてしまうのは、体に負担がかかってしまいますし、後々のリスクを考えると、お勧めできません。
精神科の通院を自己判断でやめるのは危険!セカンドオピニオンという選択も!
もし、あなたが「今通院している病院の先生にはなかなか症状を話しにくい」、「この病院では症状が改善しないのではないか」と考えていらっしゃるのなら、セカンドオピニオンも検討してみましょう。
セカンドオピニオンとは、現在の主治医の診断結果を踏まえたうえで、第三者の精神科の専門医に意見を聞くことです。
精神科の治療で大事なのは、患者が主体的に考えたうえで、納得のいく選択・治療をすることなのです。
セカンドオピニオンを受けることで、自分の症状を見つめ直し、自分の状態をより深く理解することができますし、新しい薬や治療法の情報などを得ることも可能です。
最近ではセカンドオピニオンを勧める医師も増え、セカンドオピニオンによってより安心できる治療を選ぶ患者さんも増加傾向にあります。
ただ、いきなりセカンドオピニオンと言われても、迷ってしまいますよね?
ですので、セカンドオピニオンを受けることのメリットとデメリットを、以下に簡単にまとめます。
メリット:病気について理解が深まる。
- 明らかな誤診を避けられる。
- 薬の過剰摂取防止になる。
- 主治医に相談できなかったことや、疑問点を聞きやすい。
- 現在の診断に、確信が持てる。
友人に、実際にセカンドオピニオンを受けた方がいますが、結果、かなり減薬できたようでした。
難しい病気であれば、より多くの情報があった方が治療に役立ちますし、現在の治療方針が間違っていないと分かれば、前向きに治療に取り組めますよね。
デメリット:病状やそれまでの経緯を、また一から説明する手間がかかる。
- 保険が効かず全額自己負担での診察になってしまうことがある。
- セカンドオピニオンを好まない医師もいるので、注意が必要である。
- セカンドオピニオンが間違っている場合もある。
体調が悪く、休職中の場合、セカンドオピニオンは、精神的・肉体的・経済的に、負担が大きい場合もあります。
いくつかの手続きを踏み、主治医ときちんと話し合うことも大切です。
まずは、自分の病気について、自分自身で少しずつ勉強してみましょう。
そこから、あなたが納得できる、あなたに一番合う治療法を、見つけ出してみてください。
そうすれば、精神科への通院も、苦ではなくなるかもしれませんよ。
症状が良くなるように、自分自身に合った治療に取り組んでみてくださいね。