キズパワーパッドの貼り替えの目安と方法〜やけどには湿潤療法が大事！〜

今話題の外傷用絆創膏「商品名：キズパワーパッド」。

これは、ハイドロコロイド製剤を使った絆創膏になり、ハイドロコロイドを使用しているものは、キズパワーパッド以外にも複数あります。

これまで、切り傷や擦り傷の際は必ず消毒しましたが、これからは傷口を水道水で洗い流し、キズパワーパッドを貼り、やけどの場合は、まず水道水で冷やす、後は擦り傷と同じです。

貼り替えの目安は、少しでも端が剝がれた時、傷口から出てくる体液（滲出液）が多過ぎてパッドの端までいっぱいになった時などには、パッドの内側を密閉することができず、雑菌が侵入し化膿する危険がありますので貼り替えます。

これまでの常識とは違う点がいくつかがありますので、キズパワーパッドの正しい使い方をお教えします。

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外傷にもやけどにもキズパワーパッド、貼り替え時期は？

これまでの外傷（切り傷、擦り傷など）の治療方法としては、まず消毒、そしてなるべく乾燥させるようにしていました。

しかし、皮膚の再生メカニズムの研究などから消毒薬は傷口の細胞に大きなダメージを与えることがわかってきました。

また、乾燥させるより滲出液（体液）で潤った状態の方が細胞の再生が早いことが確認され、それに対応するような新しい絆創膏がいろいろ発売されてきました。

使用方法は、

1. 傷口を水道水できれいに洗い流します。
2. 余分な水分を清潔なタオルなどで拭き取ります。
3. 傷口の大きさに合ったキズパワーパッドを貼り付けます。
4. ２〜３日に一度傷口をチェックし、赤く熱を持っていないか、膿が出ていないかなどがなければ、再度水道水で洗ってから新しいキズパワーパッドに貼り替えます。
5. 傷口が塞がると滲出液が出なくなりパッドが白く膨らみません。（傷口が塞がっても完全に傷が治った訳ではありませんのでご注意ください）

キズパワーパッドをやけどに使用するときの痛くない貼り替え方法

やけどでキズパワーパッドを使うと、貼り替えるときに皮膚がパッドにくっつき、無理に剝がそうとすると痛くなかなか剝がれない場合があります。

このような時にはパッドの端を少し引っ貼って傷口とパッドの間に空気を入れるようにすると剥がしやすくなります。

もしこれでも剝がれない場合は、少し温めた水をパッドと傷口の間に少し流し入れるようにすると剥がしやすくなると思います。

もし新しく再生した皮膚がパッドに付いて剝がれてしまった場合は、水道水で傷口を洗い流した後再度キズパワーパッドを貼ってください。

せっかく再生した新しい皮膚ですので、丁寧に扱ってください。

それと傷口が塞がっても新しい皮膚の下では、修復の活動がさらに続いています。

また、治った直後の傷口を直射日光に当てると色素沈着の原因にもなりますので、しばらくは通常のカットバンを貼っておくとよいでしょう。

キズパワーパッドの貼り替えの目安〜やけどの場合〜

やけどの場合もキズパワーパッドは、とても有効な治療手段です。

しかし、広い範囲のやけどや、深い（重度の）やけど、低温やけどには使用しないでください。

やけどの際のキズパワーパッドの使い方ですが、まず、やけどした部分を水道水などでできるだけ冷やします。

次にやけどした部分の水分を清潔なタオルなどで拭き取り、やけどの大きさに応じたキズパワーパッドを貼ります。

キズパワーパッドは、必ず１枚使用してください。

やけどが小さいとパッドを半分に切ったり、やけどが大きいので２枚を横に貼り重ねたりしないでください。

外部からの雑菌の侵入を防げなくなります。

やけどの場合、雑菌による感染を起こしやすいので２〜３日に一度入念に傷口のチェックを行い、少しでもおかしいと感じたら医師の診察を受けてください。

やけどが治った目安としては、パッドが滲出液で膨らむのが少なくなり、やけどした部分もヒリヒリしなくなってくれば治ってきたと考えてよいかと思います。

切り傷などの外傷の場合のキズパワーパッドの正しい使い方

傷口が修復されるメカニズムを詳しく研究した結果、消毒液は傷口の細胞に大きなダメージを与えます。

それとこれまでの乾かして（かさぶた）治すという方法より、傷口を滲出液（体液）で潤った状態に保った方が傷の治りが早くきれいに治るということがわかってきました。

この２つが新しい外傷の治療方法のポイントです。

さて正しい使い方ですが、

１）傷口を水道水できれいに砂や泥などの汚れを洗い流します。

砂や泥などが傷口に残っていますと雑菌の繁殖につながりますので、十分に洗い流します。

２）傷口の周りの余分な水分を清潔なタオルなどで拭き取ります。

水分が残っているとパッドが密着しなくなり雑菌が侵入しやすくなります。

３）傷口の大きさに合ったキズパワーパッドを選び、なるべくパッドの内側に触らないように傷口に貼り付けます。

この時パッドを手で温めると傷口に密着しやすくなり雑菌が侵入しにくくなります。

４）パッドの端が少しでも剝がれたり、滲出液が多過ぎてパッドが膨らみ過ぎた場合は、水道水で洗ってから新しいパッドに交換してください。

５）２〜３日に一度、パッドを少し剥がし傷口のチェックをしましょう。

赤く熱をもっていたり、膿が出てきたりした場合は、雑菌が侵入していると考えられますので医師の診察を受けてください。

特に異常がなければ水道水で洗ってから新しいパッドに貼り替えてください。

６）滲出液の量が減り、パッドの白いふくらみが少なくなってくれば治ってきた証拠です。

ですが、傷口の表面が塞がっても皮膚の下ではまだ傷の修復が続いていますので、注意してください。

キズパワーパッド使用上の注意点

キズパワーパッドは画期的な外傷治療方法です。しかし万能ではありませんので、使用上の注意を良く理解した上でお使いください。

キズパワーパッドを使用する上で注意しなければならない点を説明いたします。

1. 傷口は水道水で汚れを洗い流すだけで、消毒液を使用しないでください。消毒液というのは傷口の組織に大きなダメージを与えて傷の治りを悪くしてしまいます。
2. 外傷に有効ですが、大きな傷、深い傷、噛み傷、刺し傷、裂け傷、重度のやけど、低温やけどは医師の診察を受けてください。
3. やけどの場合、水ぶくれはできるだけ破らないようにしてください。もし破れた場合は可能な限り皮を取り除いてください。
4. ２週間経っても傷が治らないような場合は、医師の診察を受けてください。
5. ニキビ、とびひ、水いぼには適していません。滲出液（体液）が出てこないような傷の場合、キズパワーパッドのメリットが生かせません。

なお、糖尿病の方は傷の治りに時間がかかりますので、注意してください。