38度以上の高熱と下痢の症状が続く…原因と対処法
38度以上の高熱と下痢の症状が続く原因は何でしょうか?
感染症や食中毒、胃腸炎などの可能性もあり、自宅で様子を見るのは危険な場合もあります。
特に、感染症の場合は、家族や身近な人にうつしてしまう可能性もあり、早めの対処が必要です。
今回は、発熱と下痢の症状から考えられる原因や適切な対処法についてご紹介しましょう。
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目次
38度以上の発熱と下痢の原因は?ロタウイルスの症状
38度以上の高熱と下痢が続く場合は、ロタウイルス感染性胃腸炎の可能性があります。
主な症状は、発熱、嘔吐・下痢、腹痛の3つです。
通常、感染してから2日ほどで発症し、乳幼児の場合は発熱と嘔吐から始まり、1日〜2日後に下痢の症状が現れます。
熱は半日から1日ほどで下がることが多く、長引くケースはまれです。
しかし、ノロウイルスと違い、ロタウイルスに感染すると、38度以上の高熱が出るケースが多く、重度になると脳炎や脳症にまで至ることもあり注意が必要です。
嘔吐は1日3回〜5回ほど続きますが、1日〜2日でおさまることがほとんどです。
発熱や嘔吐は比較的短期間で落ち着きますが、下痢は1週間ほど続くことがあります。
ロタウイルスの感染力は非常に強く、排泄物にもウイルスが含まれ二次感染の恐れがあり、感染を広げないためには、適切な処理や手洗い、消毒の徹底が大切です。
38度台の発熱と下痢の症状…ノロウイルスの可能性も
ノロウイルス感染症の主な症状は、吐き気や嘔吐、下痢でロタウイルスと似ていますが、38度以上の高熱が出ることはまれです。
これから、ノロウイルス感染症の症状について詳しく見ていきましょう。
発熱は何度ぐらいまで?
ノロウイルスに感染した初期症状として、微熱が続いた後に、38度台にまで熱が上がることもありますが、39度を超えるほどの高熱が出ることはほとんどありません。
37度台〜38度台の発熱が2〜3日ほど続くのが一般的です。
嘔吐・下痢の頻度・おさまるまでの期間
ノロウイルスは、腸管で増殖するため、激しい嘔吐や下痢の症状に襲われるのが特徴です。
急にこみあげるような吐き気に何度も襲われ、トイレから離れられないという人もいます。
嘔吐や下痢は、1日に10回以上になるケースも珍しくはありません。
また、下痢が続き、水っぽく白い便が出ることもありますが、悪化して死に至ることはまずないので安心してください。
激しい嘔吐や下痢で大丈夫なのかと心配になるかもしれませんが、通常は2〜3日でおさまり、自然に回復していきます。
ただ、嘔吐や下痢による脱水には注意が必要です。
食中毒で38度の発熱と下痢…原因・症状の特徴・種類
食中毒の原因
食中毒は、その元となる細菌やウイルスが付着した食べ物を口にすることによって起こります。
体内に侵入した細菌やウイルスを排出しようする身体の防御反応として、嘔吐や下痢の症状が現れます。
食中毒の原因となる細菌やウイルスの種類や特徴
細菌
- カンピロバクター…十分加熱できていない鶏肉や飲み水、生野菜から感染します。下痢や腹痛、37.5度〜38.5度ぐらいの発熱などが主な症状です。
- 腸炎ビブリオ菌…生魚や貝などの魚介類から感染し、激しい下痢や腹痛が現れます。
- 病原性大腸菌…加熱が十分でない肉や生野菜などが原因で、激しい腹痛や下痢が特徴です。
- サルモネラ菌…十分火が通っていない卵や肉、魚などから感染し、急な発熱や下痢、腹痛や嘔吐などの症状が現れます。
ウイルス
A型肝炎ウイルス…ウイルスで汚染された水や二枚貝が原因で発症すると言われています。下痢、吐き気、嘔吐や倦怠感の他、38度以上の熱が3〜4日続く発熱などの症状が出ます。
38度以上の熱を伴う下痢の症状…適切な対処法
38度以上の熱と下痢が続く場合、どのように対処すればいいのでしょうか?
まず、下痢の対処法をご紹介しましょう。
下痢や嘔吐という症状は、体内に入ってきた細菌やウイルスなどを出そうとする体の防御反応です。
ですから、安易に下痢止めを使うと、長引いたり悪化したりする恐れがあります。
通常の感染性胃腸炎なら、長くても2日ほどでおさまります。
水分を少しずつこまめにとり、脱水を起こさないように経過を見ましょう。
飲み物は、冷たいと腸を刺激して悪化するので、常温の水や白湯、スポーツドリンクなどがおすすめです。
下痢が落ち着くまでの半日〜1日は絶食して腸を休ませましょう。
絶食後は、温かいお粥やうどん、スープなど消化の良いものを少しずつ食べ始めます。
次に、発熱はどう対処すればいいのでしょうか?
病気の時に熱が出るのは、病原菌を退治するための体の働きなので、薬で無理に熱を下げるのはおすすめできません。
しかし、38度を超えるような高熱の場合は、脳への影響も考慮して、体を冷やしましょう。
首や脇、足の付け根などの大きな血管が通っている部分にタオルで包んだ保冷剤などを当てると、効率的に冷やすことができます。
このように対処しても、良くならなかったり悪化したりするようであれば、病院を受診してください。
高熱と下痢が続く…すぐ病院に行くべき?受診のタイミング
下痢が長引いたり、高熱が出たりといった症状が続く場合、食中毒以外の病気の可能性も考えられます。
特に、便に血が混じったり、痙攣やめまい、貧血や頭痛、むくみなどを伴う場合は注意が必要です。
すぐに受診して処置が必要な場合と、病院が開いている時間に受診すればいい場合がありますが、自分で判断するのは難しいものですよね。
これから、発熱や下痢の症状が続く時の受診の目安をご紹介します。
発熱
すぐ受診が必要な場合
- 息苦しい
- 呼吸が荒い
- ぐったりして元気がない
- 顔色が悪い
- 呼びかけに対する反応が鈍い
- 意識がもうろうとしている
- 激しく頻回の嘔吐や下痢を伴う
- 痙攣する
診療時間内の受診でいい場合
- 咳や鼻水がたくさん出て機嫌が悪い
- 食欲がない
- 熱を伴う
下痢
すぐ受診が必要な場合
- 血便や黒色便が出る
- 嘔吐を伴い意識がもうろうとしたり、うとうとしたりする
- ぐったりして元気がない
- 1日10回以上下痢を繰り返す
診療時間内の受診でいい場合
- 1日10回ぐらい下痢をしていても元気がある
- 熱は高くても38度ぐらいで、嘔吐は伴わない
- 2日以上下痢が続き嘔吐も伴う
- 悪臭の強い下痢便や白色の水っぽい便が出て、腹痛がある
小さい子供は、大人よりも症状が重くなりやすいので、発熱や下痢があり、ぐったりとして元気がなければ早めに受診しましょう。