認知症介護で限界になる前に…周囲の理解と家族の協力
認知症介護は見た目以上に負担が多く、在宅で行う場合には家族に多大な負担がのしかかってきます。
最近では介護に対する問題やトラブルも話題になり、家族間での解決は難しいケースも増えています。
認知症患者を抱える家族は介護における限界を感じ、ストレスや不安感を心に溜めがちです。
介護で限界を感じ心身ともにすり減らす前に、家族にとって一番良い対処を考えてみましょう。
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目次
限界に達する前に理解を…認知症介護とは?
「認知症」とは、人間の活動をコントロールしている、いわば「司令塔」である脳の細胞が、何らかの原因ではたらきが悪くなったり死んでしまったりして生活していくうえで支障が出てくる状態のことです。
「認知症」の症状としては、
1.「認知症」の直接の原因となる「脳の細胞が壊れる」ことで起こる「中核症状」
2.「認知症」なら誰にでも生じる「中核症状」に、それぞれ個人の性格や置かれている環境などが加わって起こる「周辺症状(行動・心理症状)」
大きく分けて上の二つに分けることができます。
*中核症状とは「中核症状」とは、活動をコントロールする脳の細胞が壊れることで誰もが抱える症状のことで、その代表的な症状として「記憶障害」があげられます。
「認知症」と聞いて多くの人がイメージする通り、記憶ができなくなるためについ先ほど生じた出来事でさえ忘れてしまいます。
例えば、お昼ご飯を食べたばかりなのに「まだ食べていない」と訴えることもよくあるようです。
その反面、何十年も昔のことなど、脳が正常だったころの古い記憶は残っていて昔の話を繰り返すことがあるといいます。
これらの記憶も、症状が進行していくと、どんどん失われていきます。
それ以外にも、「見当識障害」と呼ばれる、日時や場所の理解、さらには方向感覚などが失われていき自分が置かれている状況をきちんと判断することが出来なくなります。
さらに「実行機能障害」と呼ばれる、行動の目的が分からなくなる、目的をもって自立した行動ができなくなる・・・など、判断力が低下して筋道を立てた思考ができなくなる症状などがあります。
*周辺症状 「行動・心理症状」とは「認知症」には、誰にでも生じる「中核症状」に加えて、個人の本来の性格や環境が大きく作用してくるために症状が多様化しており、人によって症状が異なってきます。
例えば、もともと落ち込みやすい性格だった人が「認知症」になると、できなくなったことに対して自分を責め、うつ症状や不安症、無気力といった感情障害が起こる場合があります。
逆に、もともと怒りっぽい性格だったなら、自分の症状に対するストレスなどから暴言を吐く、暴力的になる人もいます。
さらには、妄想を抱く・幻覚を見るタイプもありますが、性格だけでなく環境や接する相手など人間関係など様々な要因が関わっています。
家族が限界に…過酷な認知症介護
認知症の介護が難しいとされる原因のひとつに、「介護期間の長期化」があげられます。
我が国の死因をランキングで見てみると、第1位はガン、第2位は心疾患、第3位は肺炎だとされています。
一方、介護の原因のランキングでは、認知症が第2位となっているのです。
死因ランキングを見ると「ガン」・「心疾患」・「肺炎」と死に至る過程はどの場合でも受け入れることがつらく、本人はもちろん家族や関係者にとって大きな悲しみと衝撃を与えることに間違いはありません。
とはいっても、人はそれらの疾患に直面して、死に至ることがないように戦う過程を経て結果的に不条理な死を迎えたとしても、それを少しずつ受け入れることができ、悲しみに満ちた「別れのとき」を時の流れとともに癒されていくことさえ可能です。
それに引き換え「認知症の介護」は、それ自体が死に至る疾患ではないものの、介護中に状況が回復するどころか次第に悪化していく様子を経験し、場合によると亡くなるまで10年、20年、またはもっと長い期間介護生活を続けることが求められるのです。
介護する側がまだ若い世代であれば、家族の介護で仕事を制限せざるを得なくなったり、介護する側もすでに高齢になっている場合の「老々介護」問題など、課題が山積しているといえるでしょう。
また、高齢者と同居している場合には、現在は認知症の問題がなくても「脳血管疾患」、「骨折転倒」など高齢者にありがちな原因で3ヶ月以上の入院を余儀なくされると、認知症になる可能性が極めて高いとされています。
今は家族に「認知症」の問題がなくても、いつ生じるか分からない身近な問題だといえますね。
認知症介護の限界が来る理由
病院で「認知症」と診断されてから「介護認定」を受ける、さらに「介護保険」の開始手続きをすること、何らかの介護サービス業者を選ぶこと・・・など、手続きしなければいけないことが数多くあります。
まずは信頼できるお医者さんに相談するといいでしょう。
また、介護認定に関しては市町村の窓口があるので、相談してみるのもおすすめです。
*生活面での問題家族が「認知症」と診断された場合には、できるだけ早い段階で本人の「かかりつけ医」「住宅の名義」「銀行口座の残高」「不動産・株の有無」、など当人の認知症が進んでしまうと継承できなくなってしまう可能性がある問題を早いうちに把握しておくことが大切です。
「認知症患者」の財産管理制度として「成年後見制度」があります。
この制度は認知症など判断能力が十分ではなくなった人を支援する制度で、家族などが「成年後見人」となり、本人に代わって財産の管理ができるようになります。
*家族間の問題家族が「認知症」と診断された場合に生じる問題としては、「介護に関する問題」があげられます。
まず、「兄弟たちの誰が介護するのか?」「自宅介護か施設に入れるか?」といった、介護の責任者に関する問題です。
なかには、「介護は長男がすべき」とか「独身者がすべき」など古い価値観を無理やりに押しつけようとする人がいるかもしれませんが、できるだけ家族が集まって十分に話し合い、相談をして決めるようにしましょう。
次に問題が起こりやすいのが「相続のトラブル」です。
あらかじめ「遺言状」があれば問題ないのですが、ない場合には家族間で話し合うことが大切でしょう。
「介護しているのだから、多めにもらう」とか「兄弟はみな平等だ」など醜い争いにならないように、できるだけ話し合いで決めておくようにしたいですね。
また、介護問題が難しい理由としては、介護をする側が離職または転職しなければいけなくなること、配偶者の親の介護にストレスを感じて「介護離婚」の問題が起こる可能性があること、長引く介護によって介護費用・医療費の捻出が困難になることなど、数え切れない問題があるようです。
いずれにしても自分一人で抱え込まず、誰かに相談する、役所などに相談してみるなど、積極的に助けを求めるようにしましょう。
認知症の在宅介護の限界は…施設への入所について
「在宅介護」をすると決めた場合、責任感が強い人ほどどれほど困難な状況になっても「最後まで介護しなければ・・・」と思うようです。
実際、何年か前に、ある女優さんが介護していた車椅子の母親と一緒に父親の墓参りをし、そのお墓の前に母親を残して自殺を図った事件があったことを覚えておられますか?
本当に残念なケースなのですが、この女優さんのように親の介護という大変な問題を自分一人で何とかしようと無理をし続けると介護する側まで心身ともに疲れ果ててしまい逃げ場を失うことになりかねません。
そして、このような介護殺人・介護心中という悲惨な事件は今もどこかで毎日のように起こっているのが現状です。
このような悲しい結果にならないためにも、「どこまで在宅介護を頑張るのか」という問題を考える必要があります。
日本では、いまだに「家族と一緒に暮らすのが当然」とか、「施設に入れるのは世間体が悪い」という考え方が残っているようです。
それも、介護をする側が心身ともに健康で、家族のサポートも充実していれば、の話。
いくら認知症の症状が比較的軽くても、介護する側が「もう無理だ」と思ったら介護施設の入所や入院を決断するタイミングだと考えましょう。
周囲の人たちには、介護する人の健康状態や住宅状況、経済的余裕の有無、家族構成や親戚や周囲の介護サポートがあるかどうかなど、その家族が置かれている立場や状況までは分からないので、「まだ介護できるんじゃないの?」などと無責任な外野の声を浴びせてくるかもしれませんが、自分たちの限界を知っているのは本人だけです。
杓子定規に判断できるものではないことを自分自身にも納得させて「介護できるところまで」介護し、限界を超えないようにしっかりと見極めたいですね。
家族の希望は…認知症介護の限界リアルな現状
<介護はどこで受けたい?家族の本当の希望と介護の現状>厚生労働省によると、日本の平均寿命、健康寿命は世界でトップクラスだといわれています。
実際少子化であるにもかかわらず、年配者が圧倒的に多い「高齢社会」になっているのです。
そんな中、高齢者の「認知症患者」の介護を誰が、どこでするか?という問題が大きな問題になっています。
ニュースでも頻繁に見聞きする「老々介護問題」や「少子化」など様々な現実問題が山積している中、家族はそれぞれ介護に関してどのような本音を持っているのでしょうか?
「平成25年版 高齢社会白書」によると、「介護を受けたい場所」と「最期を迎えたい場所」に関して調査結果がまとめられています。
1.日常生活を送る上で介護が必要になった場合に、どこで介護を受けたいか?
「自宅で介護してほしい」(男性42.2%、女性30.2%)
「介護老人福祉施設に入所したい」(男性18.3%、女性19.1%)
「病院などの医療機関に入院したい」(男性16.7%、女性23.1%)
「介護老人保健施設を利用したい」(男性11.3%、女性11.2%)
いかがですか?
女性では30%、男性はなんと半数近くの人が「自宅で介護してほしい」という希望を持っていることが分かります。
在宅介護の限界について考えると、なかなか現実は難しいようです。
また、やっぱり「家族一緒に暮らすのが当然で、最も幸せだ」とか、「施設に入りたくない」という考え方が、古風な考えが強い男性のほうが多いのかもしれません。
2.治る見込みがない病気になった場合、どこで最期を迎えたいか?
「自宅」・・・54.6%
「病院などの医療施設」・・・27.7%
病気の場合には男女ともに半数以上が在宅での介護を期待しているようです。
このような調査結果を見てみると、今後在宅介護を十分に受けられない「認知症患者」が増えていくことが予想されています。
政府側も今後の「社会保障費用」をどのように増やしていくかを対応していかなければなりません。
また、費用対効果が高い医療・介護サービスが供給できるようにする目標を立てているようですが、私たちの側も突然問題に直面してから慌てることがないように、今のうちから家族間、親族間で「認知症問題」を話し合い、事前の用意ができるようにしておきたいものですね。